早いもので、お父さんが亡くなって1年。
いやー。月日が流れるのはほんと早い。
亡くなってから思うのは、そんなに心境の変化がないということ。
逆に、いい思い出しか残ってないからさみしくない感じがする。
お父さんのことを想うと、ホワホワいい気持ちになるような。
子どもの頃から、私はお父さんっ子で、いつもお父さんの膝の上が私の定位置。
お母さんは昔から入院してたけど、それより以前からずっとおとうさんっ子でお姉ちゃんを父親に近寄らせなかったほど。
そんなお父さんの異変は突然やってくる。
それまでも、ちょっと前とは変わってきたかなぁ。。。
でも、もういい年だし。 年齢的なものかなぁ。。。
誰でも多少はあるよなぁ・・・
今振り返ると、現実逃避じゃないけど、現実から目を背けてた気もするけどね。
それでも、一人暮らしを問題なくしてたし、大丈夫であって欲しいという信じたい想いが強かったある日のこと。
お父さんの主治医から突然電話があり、認知症かもしれないから検査に行ってきて欲しいと。
えええええーーー???
近くの市民病院で脳のMRIを撮ることに。
結果は、かなり脳の萎縮が進んでいる状態で、明らかなアルツハイマー認知症の所見があると。
しかも、レビー小体型認知症でもある、と。
初期の認知症ではなく、かなり症状が進んでいる状態だと。
突然突きつけられた現実に、
(私の人生終わった・・・)と天を仰ぎました。
というか、信じられなかったし
信じたくなかったし
現実としてどうしてもその現実をすぐには受け入れることができず。
いやいや、そんな訳ないよ、と。
家族が認知症と言われた時に、まずみんなここの壁にぶち当たるんじゃないかな・・
まずは、現実を受け入れること。ここが一番難しい。
けれども、認知症という診断が下った以上、まず家族としてやらなくちゃいけないと思ったこと。
それは車の運転をやめさせることです。
主治医に相談すると、逆走とかする可能性もあるから、できるならやめたほうがいいと。
ただ、どうやってやめさせるか? やめさせることができるのか?
言い方が難しいな・・・。無理やり取り上げても逆効果になりそうだし、なんとか自ら納得して辞めれるいい方法がないかと思案すること数日・・・。
主治医に「先生をだしに使ってもいい? 先生のこと尊敬して信頼してるから先生がやめた方がいいと言えばお父さん的にも言い訳になって納得できると思うんです」と相談すると、大賛成してくれて協力してくれました。
実際に辞めてからも「先生がやめたほうがいい、と言ってたからしょうがないなぁ・・」とお父さん自身が納得しつつも言い訳のようによく口に出してました。
免許証については返上しなくてもそのまま失効でもいいかな?と思ってそのままにしておいたんだけれど、
失効の日が近づくにつれ、お父さんにとってもちゃんとした方がいいかもしれない・・・と思い、父と一緒に最寄りの警察署へ行って自主返納の手続きをしました。
その時に、手続きが終わった後で立場が上っぽい管理者っぽい人が出てきて、父へ感謝の言葉と労いの言葉を下さったんです。
父へ敬礼してくれた姿にもなんか感動しちゃったな。
しょぼい記念品とかよりも、こういう事だったりするんだよね。人の心を動かすことができるのって。
お父さんも、凄く嬉しそうで誇らしげでした。
車の運転をやめさせること・免許を返上するということは、特に男性にとっては尊厳に関わる程難しいことだと思います。
ばかにするな。俺は運転が上手いんだ。運転をやめたらボケる。生活に必要だ。
いろんな事を言われるかもしれないけれど、本人が納得して、最後どう終えるかを自分の意思で決めてきれいに幕を引いてほしい。
家族が無理やり辞めさせるのではなく、本当にできれば大丈夫なうちに自分の意思で辞める選択をしてほしいな。
家族にそう言わせてしまうのも実は凄く酷な事だと思う。
自分の親に言うのって本当に辛い。
でも言わなくちゃいけない責任感から家族は心を鬼にして言ってる。
まだまだ大丈夫だと分かってはいるけれど、何か起こってからでは遅い。
ここまで頑張ってきたんだから、お疲れ様。今まで本当にありがとうと言って心から労いたい。
運転をやめたからといって人生が終わる訳じゃない。
そこからどうやってうまく生活していけるか・・
結局は家族の負担は大きくなるばかりの現実だろうけど、行政がどれだけサポートできるかが本当に重要になってくる。
本当に高齢者の運転問題をどうにかしたいと思っているのなら行政は本気で取り組まないと、自主返納は進んでいかない。
買い物や病院など、車がないと高齢者がどれだけ生活できないか、本当にわかってんのかな?
ネット通販なんてできっこないよ。
ケアマネさんやヘルパーさんなど、お父さんのためにいろんな方々にお世話になったけれど、
まず最初に車の事をよく聞かれました。
田舎ということもあって、車での移動が絶対な場所だったので。
とにかく、車をどう辞めさせるか?そこが一番揉めると。どうしても本人が納得されずに逆に意固地になってそれが一番難しいそう。
本人の性格などもあるだろうけど、うちはうまいこと最初の難関をクリアできてたのかな?
お父さんと認知症・・ 今となってはよき経験で、父が亡くなったときに主治医の先生へお礼を伝えに行ったときに早い訃報に驚きながらも「娘孝行なお父さんだな」って言われて本当にそうだったのかもって思えました。
先生は神経内科が専門で認知症の様々な患者やご家族を見てきた方。
綺麗事だけを言わずに、家族で見ようと思うな。お父さんの為にも、あんた達の為にも、早く施設に入れた方がいいと助言してくれてました。
ぼちぼちと、振り返りながら色々と書いていこうかなぁ。
親の介護問題。
少しでも楽になれれば。